目の見えない人は世界をどう見ているか、
という新書がありまして。

仕事柄、盲目の人と接する機会が多いので
読んでみたんですが。

目が見えるか、見えないかというのは
たんに「感覚の違い」と捉えるくらいでいいのかもな、

と少し心が楽になりました。
僕の説明がざっくりし過ぎでよくわからない人は

ぜひ読んでもらうといいんですが、
僕はこの本をまさに盲学校に通う子供のお母さんに

勧めてしまって後悔した事があります。
余計なお世話というか、

そういうのはとっくに調べているし
知っているのが当たり前、

親なら気になるに決まってますから。
やぶへびでした。反省しています。

それで、、、というか直接的に関係はないんですが
今回は映画を観に行った話。

ナイトクルージングといいます。
こちらは全盲の加藤秀幸さんが映画を撮るまで、を

まとめたドキュメンタリーになっています。
劇中に加藤監督の作品も観れるので、

一つで二度美味しい作りになっているんですが、
これ、イメージしてたのと全く違う手触りの映画でした。

まず、先天性の全盲者である加藤さんが
目で観ないと、わかりにくいとこっちが

思って当然の映画を撮るわけです。
これ事態が結構、大変というか

しんどい作業なのだと思うので、
その辺の苦労が描かれるのかな、、、と

身構えてたんですよ。
中には確かに全盲者しか起こりえない

大変さなどはあったんですが、
ぜんたいそうでも無くて。

本人の人柄があまりにのほほんとしていて、
苦悩しているように見えないというのもあるんですが、

何より関わっている人がみんなとても親切で、
変な話、優しい仲間達に囲まれた

加藤さんが好きな事をさせてもらってるように
感じて、物足り無かったです。

でも考えてみたら、
それは単に僕が悪意を持って、

観てただけかもしれないので、
だとしたら性格の悪さかもしれんすみません。

それより加藤さんの撮った映画が、
妙に印象的でした。

一昔前のSFアクションみたいなやつで、
話そのものはどって事ないなんですが、

映像が凄い。
シーンごとに、実写だったりCGだったりで

統一感がまるで無く
これはどこまで意図してやったのか、が

おそらく、、、映画内で語られていなかったか
語ってたとしても一瞬で、見落としてしまったのか、

とにかく唐突すぎてはっきりノイズなんですよね。
でもそこで、全盲の人が撮ったというの思いなおして

ハッとするわけです。
実はドキュメンタリー本編の冒頭、

何も見えない画面に音だけで
加藤監督の映画が流されていたんですよ。

つまり全盲者の目線?を最初に提示しておいて、
からの映像というわけなので、、、

ん?なんか頭がぐるぐるして。
考えてみれば、見えないんだから

画面がCGだろうと、
実写だろうと何でもいいわけかな、、とか

アクションにしたのは、
音で面白みを感じられるからかな、、、とか。

とんかく観終わった後、
たくさん考えたり話したりする事が

次々出てくる内容でした。
それは決してわかりやすい面白さじゃないですが、

目の見えない人でも映画を楽しんでいるんだ、
というのだけはドキュメンタリーを通して、

加藤さんからすごく伝わってきました。
あれ、待てよ。

、、、ひょっとすると、シーンごとに
統一感の無い映像なのは、

視覚障害者加藤さんの挑戦状だったんかな。
言葉は悪いけど

「目あきだとクラクラして良くわからんだろ(笑)」

みたいな。
だとしたら中々、茶目っ気ある人です。

そんな加藤さんなんと映画が終わって、
本人自ら観客に挨拶に現れたんですが

思ったよりデカかったです。
そういえば、大きいというのも見た目のインパクトですね。

当たり前だけど、
僕らはかなり視覚に頼って生きているんですなぁ。

、、、とか言ってわかった気になってみました。
おしまい。